上記の記述は、財務省からしたら、不愉快に思うかもしれないが、市中銀行から見たら当たり前の事なのである。経済活動の血液としての「お金」の役割を、「国債」は担っている。「国債」というお金が無くなれば、私たちの経済活動は成り立たない。
「国債」は、「負債」借金という一面も当然ながらあるが、銀行のバランスシート上では、「お金」の役割を果たしているから、「資産」として、左側に置かれる。
また、中央銀行の役割は、本来の「お金」通貨発行を行っている。バランスシートでは、右側の「負債」という位置づけだ。また、国の発行した「国債」を市中銀行から買い取った場合は、左側の「資産」に入り、右側の「負債」お金が増える。
ここで、国のバランスシートを考えてみると、当然、「国債」は、右側の「負債」に計上され、お金が財政出動されて各経済主体に(投資)配られた結果、「資産」として左側に戻ってくる。また、「国債」は市中銀行にとっての血液なので、なくなっては困るもの。経済規模に応じて、残高は増えていくもので、それ自体問題にはならない。借金としての「国債」を心配するよりも、銀行にとっての血液不足こそが心配。
さて、ここで登場する概念で、統合政府のバランスシートを導入すると、国のバランスシート上の「国債」と、中央銀行のバランスシート上の「国債」は相殺されてなくなります。
国の債務は瞬時に減少し、不安は幾らか和らぐ。引用文(『金融講義』副題(世界インフレ時代のお金の常識・非常識)から