私の仮説

『日米の30年の経済格差をもたらしたのは、「金融リテラシーのOS」』

日米の30年の差をHP12cの普及から読み解く

1.「RPN(逆ポーランド記法)」と論理的思考

 ・米国のプロフェッショナル:数式を丸暗記するのではなく、キャッシュフローの構造を分解し、論理的な順序で入力することを強いられます。この過程で、計算の裏側にある「数学的構造」を深く理解することになります。

 ・日本の一般的環境:標準的な電卓(中置記法)やExcelの関数に頼り、ブラックボックス化した計算結果だけを追う傾向がありました。

2.「金融数学」の民主化とスピード

アメリカでは、1981年以来、投資銀行家から不動産仲介業者、MBA学生に至るまで、共通言語としてHP12cを使ってきました。

 ・共通言語の強み:会議中に誰かが「この案件のIRR(内部収益率)は?」と問えば、その場で全員がHP12cを叩き、数秒で合意形成がなされます。

 ・日本との差:日本では高度な金融計算が一部の専門家や「本部のPC」に委ねられ、現場での意思決定スピードと、「金利・複利」に対する感覚(Asset Defenseの意識)が鈍くなってしまった可能性があります。

3.「不変」が生んだ教育の継続性

HP12cが40年以上変わっていないことは、教育コストを極限まで下げました。

 親が使っていた道具を子が使い、教授が教えた手法がそのまま実務で使われる。この「知的資本の継承」が、アメリカの厚い投資層を支えるインフラとなりました。

 一方で日本は、バブル崩壊後のデフレ下で「名目上の数字」に固執し、実質価値や時間価値(TVM:Time Value of Money)を計算する習慣を社会全体で育てられなかった側面があるかもしれません。

  仮説の核心:

   アメリカの成長は、国民一人ひとりが「資本の増殖スピード」を自ら計算できる

   ツールをポケットに忍ばせていた(=資本主義の武器を持っていた)からであり

   、日本では、その武器が理解されず、普及しなかったのだ。

特に、今の日本のようにインフレと金利上昇が現実味を帯びる局面では、「数学で世界を解釈する道具」の有無が、個人の資産防衛において決定的な差を生むことになりそうです。

投稿者: eic1954

岩永FP事務所代表 一級ファイナンシャルプランニング技能士、 日本FP協会CFP認定者

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