高橋先生がよく主張される「日銀の保有国債は、政府の負債と相殺される(実質的な借金ではない)」という理論を、将来の利払い負担(現在価値)の観点から計算で裏付ける実演。
1.実演のコンセプト
「政府が100兆円の国債を発行し、それを日銀が買い取った場合」を想定する。
通常、国債には利払いが発生しますが、日銀が持つ場合は、「国庫納付金」として政府に戻ってくるため、実質的な利息負担はゼロ(あるいは極めて低く)なります。これを「連続複利による割引」を使って、現在の負債の価値を評価し直すデモです。
2.金融レジスタを使った実演:将来債務の現在価値(PV)
もし100兆円の国債(無期限に近い長期想定)を、市場金利(連続複利2%と仮定)で割り引いた場合、政府にとっての「実質的な負債額」はどう変わるかを見せます。
ステップ1:市場金利をTVMレジスタ[i]へ
連続複利r=2%を、金融レジスタで扱える金利に変換します。先日説明した通りです
1.0.02 g e^x →1.0202…
2.1-100× →2.020(実効金利)
3.[i]に格納
ステップ2:日銀による「利息返還」の効果を反映
本来なら毎年2兆円の利息を払い続ける必要がありますが、日銀が保有しているため、この2兆円が政府に戻ってくるのと仮定します(=キャッシュフローが相殺される)。
1.期間(100年とする):100 n
2.将来の額(100兆円):100 FV
3.毎年の利息支払い(相殺により0円):0 PMT
4.現在価値を算出:PV
結果:表示されるのは、約13.53
ステップ3:実演の締めくくり
「市場から見れば100兆円の負債も、日銀が保有して利息が還流する仕組み(統合政府)で見れば、100年後の償還を現在価値に直すと約13.5兆円の価値まで圧縮されている」と説明できます。
これが、高橋先生が「バランスシートを統合して見れば、日本の財政問題はない」と説く数学的背景の一つ(通貨発行益や国庫納付金の考慮)です。