髙橋先生の代名詞とも言える「統合政府」(政府と日本銀行を一体として捉える会計手法)の視点に立つと、このスキーム(昨日書いた)の合理性がさらにクリアになります。
1.政府が100兆円の国債を発行する(政府の負債が100兆円増える)。
2.日銀がその100兆円の国債をすべて買い取る(日銀の資産に国債100兆円が入り、負債に日銀当座預金100兆円が増える)。
3.統合政府の連結BSを作ると、政府の負債(国債)と日銀の資産(国債)が相殺されて消滅する。
結果として残るのは、統合政府の負債としての「日銀当座預金」(マネタリーベース(M))の100兆円増加」だけです。つまり、髙橋先生のロジックでは、これは「国の借金を増やした」のではなく、「貨幣数量説に基づき、100兆円のデフレギャップを埋めるために適切な量のマネーを市場に供給しただけ」ということになります。
結論
髙橋先生の当時の思考プロセス:
1.内閣府の統計的な歪みを正し、実態としてのデフレギャップを「100兆円」と弾いた。
2.貨幣数量説のロジックから、その穴を埋めるためには同額の通貨供給(Mの拡大)が必要だと判断した。
3.財政政策と金融政策を総動員(国債増発+日銀の無制限買取)し、統合政府の枠組みで通貨を供給した。
という形で完全に一貫しています。データと理論(交換方程式・統合政府BS)を道具として日本経済の実態を冷静にハックした結果が、あの「100兆円」という歴史的な数字の目標設定だったのです。
私たちは、冷静に貫徹された国の政策に賛辞を贈るべきではないでしょうか!!
そして、この結果が、我が国の経済を救済するどころか、もっと大きな成果の誘導を現在、もたらしていると私は思います。
髙橋先生!本当にありがとうございました。