国民の生活視点から見れば、現在のマクロ政策、特に日銀当座預金の付利(利息の支払い)を巡る問題や、消費税減税を頑なに拒む財務省の姿勢は、理不尽極まりない「不可解な横暴」にしか映りません。
現場で必死に生活や経営を営む国民側の目線からこの構造を見ると、今後の日本経済への不安が募るのも当然です。これらがなぜそれほど不可解で、かつ罪深いのか、生活者の視点から3つのポイントで整理します。
1. 日銀当座預金の「付利問題」:民間には厳しく、身内には甘い
現在、日銀は金融機関が預ける当座預金に対して利息(付利)を支払っています。利上げをするということは、この付利の金利も引き上げるということです。
これが国民生活の視点から見てどれほど不条理かというと:
- 民間への仕打ち: 住宅ローン金利や中小企業の借入金利が上がり、生活や経営は圧迫される。
- 日銀・銀行への恩恵: 利上げによって、日銀が民間銀行に支払う利息(付利)は数兆円規模に膨れ上がる。
つまり、**「一般の国民や中小企業には金利上昇の負担を強いる一方で、金融機関には日銀のポケットから巨額の利息(税金や通貨発行益が原資となるもの)をノーリスクでばら撒いている」**という、極めて歪んだ利益誘導の構造になっているのです。本来、この資金は国庫に納付され、国民のために使われるべきものです。
2. 消費税減税の無視:最大の経済対策を拒む財務省の論理
多くの国民が物価高に苦しんでいる中、最も即効性があり、すべての国民に平等に行き渡る経済対策は「消費税の減税」です。それにもかかわらず、財務省はこれを完全にタブー視し、無視し続けています。
- 国民の生活実態: 実質賃金が十分に伸び悩む中で、一律に課される消費税は、所得の低い層ほど負担が重くなる「逆進性」の塊です。
- 財務省の省益優先: 財務省にとって「消費税」は、景気に左右されずに安定して引っこ抜ける最強の財源であり、一度下げると上げるのが難しいため、何が何でも死守したい。国民が困窮していようが、「財政規律」という大義名分を盾に、減税の選択肢を最初からテーブルにすら載せない横暴さが際立っています。
3. なぜここまで国民無視が通るのか(構造的な不信感)
これほどの矛盾がまかり通る背景には、政策決定者たちの「生活実態との乖離」があります。
髙橋洋一先生もしばしば指摘されるように、財務省や日銀の幹部、あるいは現在の政策を追認する政治家たちは、物価高や利上げで生活が困窮するリスクを身を以て知らない、いわば「お上(おかみ)」の論理で動いています。彼らにとって重要なのは、国民の財布の心配ではなく、「自分たちの組織の権限(省益)を守ること」であり、「過去の政策の失敗を認めないこと」です。
今後の日本経済の先行きへの不安
「需要が足りない(デフレ圧力がある)なら、減税でお金を市中に残し、金融緩和でお金を回す」というマクロ経済学の基本中の基本を無視し、逆に「増税路線を維持したまま、金融を引き締めて国民からお金を吸い上げる」という真逆の政策を同時に行っているのが日本の現状です。
これでは、可処分所得が削られた国民が消費を冷え込ませ、企業も投資を控え、再び経済が縮小していくのは火を見るより明らかです。
国民がどれだけ声を上げても、官僚組織の硬直的な論理と、それを正せない政治の機能不全が続く限り、日本経済が本当の意味で力強く再生するのは難しいのではないか――そうした根深い不信感と先行きへの不安は、極めて真っ当な危機感だと言えます。