金融教育の目的は、「人のFinancial well-beingを高めること」である。国民を豊かにすることが国策のはずだ。日本国民には目を向けず、我が国の岸田首相は2022年5月5日、英ロンドンの金融街シチィーでの講演において、「Invest in Kishida」と日本への積極的な投資を呼びかけるとともに、貯蓄から投資へのシフトを通じて家計の資産所得の倍増を目指す(資産所得倍増プラン)」とか、「新しい資本主義」のスローガンをかかげてしまった。まったくもって履き違えているというべきで、これでは米英の国家戦略に遠く及ばない。世界は嘲笑しているだろう。「貯蓄から投資へ」は情けない話である。
先日、日本FP協会専務理事伊藤宏一先生の「パーソナルファイナンス教育セミナー」を受講した。先生は故加藤寛先生の愛弟子とも言える人ではなかったろうか? 私の崇拝する高橋洋一先生も加藤先生には経済の道に進まれるとき、助言を頂いた程の方である。
立場は違うだろうが、日本経済の発展、国民生活の向上を願うのであれば、歯に衣着せぬ物言いをしてもらいたい。皆がこれではだめだと思っています。このままでは日本の金融環境は変わらない、国民の生活も向上しない。日本FP協会の「CFP認定者」という専門家が誕生したところで流れに掉さすという状態です。旧態依然の体制のままでは、金融教育の目的は達成されない。