関数電卓2

関数電卓の最大の特徴は何と言っても数学史上最大の発見とも言える「オイラーの公式」(複素数の指数と三角関数を結ぶ式)を理解させるところだろう。二次元デカルト座標で表される複素数を指数関数で表現する極座標に変換できる機能が備わっていることでそのことがわかる。「直行形式」と「極形式」の複素数モードでは「極形式」の複素数入力を自動的に「直行形式」に変換する。

この極形式で表現された複素数は物理学や工学の解析方法に革命を起こしました。と「土地家屋調査士試験のための関数電卓(パーフェクトガイド)」遠藤雅守著の本に記載されています。

唐突にも、なぜ、土地家屋調査士試験の本を紹介するかといいますと、複素数で測量計算ができる仕組みの解説を平易に述べているからです。測量計算に複素数を使う基本的思想は「座標点を複素数で表し、これを位置ベクトルと考える」ということなのです。

「虚数単位iと複素数の定義」「オイラーの公式と極形式」「複素数の四則計算」「二次元平面のベクトル」などの基本的な概念を私たち文系人にも分かり易く解説してくれていて、是非、お読みになって関数電卓を使ってみましょう! ちょっと、まだ手に負えないようでしたら、まずは金融電卓で予備知識を得てから取り組まれてはいかがでしょうか? 金融電卓には関数電卓の予備的操作が、より簡単にわかるので最初に手慣らしができると思います。

高額療養費の計算

70歳以上の自己負担限度額について、この8月からと翌年8月の2段階で引き上げが行われることになりました。公的医療保険の持続可能性を高め、世代間の負担の公平化を図るために行われるものです。

今回の話題は私の母が入院手術で費用が嵩んだため、高額療養費制度を使って出費を抑えたいということなのですが、驚いたことに今月から制度に見直しが行われていたのです。私の母は後期高齢者の高額療養費の計算なので、70歳以上の自己負担限度額の変更の対象に入っていました。また、計算に当たっては、計算の手順や自己負担額の合算など注意する点があるので、大まかなことが分かったら、お住いの市区町村の保険の窓口に出向いて申請手続きをしましょう!

とここまでは良いのですが、話はこれでは終わらない。私は申請をしようと電話で窓口に問い合わせたところ、なんと、申請に出向かなくてもいいとのことなのです。何故か、私たちは保険者なので、システム上患者の医療費は把握しているので、高額療養費を請求できる人には数か月後に郵送で申請書をお送りいたしています、とのこと。

この話、あなたはどう思う? 市区町村が住民の医療費を全て管理することが可能だろうか?

これって、自動車保険の損害額算定を修理工場と保険会社が決定する方法によく似ているような気がする。患者と自動車の所有者、病院と修理工場、広域連合と保険会社。このトライアングルは個々に独立でなければ保険制度は機能しない。むしろ弊害を生む温床にもなるのではないか?

年金制度とともに社会保険制度の疑わしい一面を垣間見た思いがした。今後、社会保障制度がどういう変遷を遂げていくかを是非、追跡していきたいと思う。現在は常識か、非常識か。

関数電卓

金融電卓は指数関数や対数関数には対応しているが、数学を学ぶには物足らないのも事実である。そこで、関数電卓も揃えていると便利だと私は気づかされた。特に、三角関数や複素数との結びつきを理解すると一気に世界観が変わるので、そういう常識を大事にしたい。理系人だけに独占されるのは文系人として真に勿体無い話だ。高校数学程度までは理系・文系問わず理解したいものだ。私たちもその世界に飛び込めばいいのです。その水先案内として『理系人のための「関数電卓」(パーフェクトガイド)』遠藤雅守著のご本を紹介します。三角関数の応用として「ベクトル」「測量」「フーリエ級数」などの具体例を関数電卓で計算するという紹介事例は非常に理解が深まって良かったです。

皆さんも「関数電卓」に興味があり、使ってみようという方は機種選択の意味でも参考になりますので、お読みいただけたらと思う。

私がもう一つ興味を持った記事がColumnとして掲載されていたのでお話しすると世界初の関数電卓として「HP35」が紹介されていたことです。ヒューレット・パッカード社は関数電卓も世界初だったんだね! 1972年に卓上関数電卓として世に出た当時と、「金融工学」のスタート時点と符合していて面白い。

常用対数(log)と自然対数(LN)

私はHP12c金融電卓を使うことで対数計算を理解できるようになったと思う。何故か? その理由の話をしよう。

対数の底の違いによって常用対数(log)と自然対数(LN)になるのはご存知の通り、底が10とeの対数なのだが、両者は底の変換公式によって自由に変換が出来る。最初はHP12cにはLN計算しか表示がされていないので、不思議に思っていたのだが、logだろうが、2の底の対数だろうが、LNに変換が可能なので計算できるのです。

すなわち、その数値のlogを求めるには、まず、その数値のLNを計算し、10のLNで割ることで対応することができるということなのです。このことが分かりさえすれば、対数計算は簡単だ! 私に金融電卓の機能が底の変換公式の意味することを教えてくれたというわけなのです。

この説明で皆さんはお分かりだろうか? 一度、金融電卓を使ってみてはいかがでしょうか。