定数計算1

スタックリフトがあっても、Tレジスタの数値はそのまま残るので、この性質を利用して定数計算することができます。

定数をTレジスタに入れるには、まず定数を入力し(Xレジスタに入れ)てから【ENTER】を3回押します。この操作で、その定数が全てのレジスタに入ります。計算するたびに、最初に入力した定数がYレジスタにドロップしてきます。

キー操作              ディスプレイ

2【ENTER】【ENTER】【ENTER】 2.00   定数を全てのレジスタに保存

84000               84000.  初年度の売上をXレジスタ保存

【✖】               168000.00 翌年の売上

【✖】               336000.00 2年後の売上

【✖】               672000.00 3年後の売上

複雑な計算(RPNモード)

自動的にスタックリフトやスタックドロップをするようになっているので、操作の多い計算のときにも、他社の電卓のようにカッコを入力したり、中間結果を紙やメモリに保存する必要はありません。

実際にはどんな複雑な計算でも、4個のスタックレジスタだけで計算できるとは限りません。中間結果を計算のたびに数値を記録レジスタにストアしなくても済むようにするには、紙と鉛筆で筆算するときのように、カッコの内側から計算を始めて、順々にその外側を解くとよいでしょう。その方が少ないレジスタで計算できます。

HP12cPlatinum 金融電卓 日本語ユーザーズガイドより引用

LastXレジスタと【LSTx】キー

【+】、【-】、【✖】、【÷】などのキーを押すと、それまでのXレジスタの数値がLastXレジスタにコピーされます。

【g】【LSTx】を押すとスタックリフトして、LastXレジスタの数値をXレジスタにコピーして表示します。LastXレジスタの数値はそのままです。

日数計算と金融計算

日数計算に使う【DATE】、【ΔDYS】のキーや金融計算に使う【INT】、【n】、【i】、【PV】、【PMT】、【FV】、【NPV】、【IRR】のキーなどはXレジスタ、Yレジスタ、Zレジスタ、Tレジスタに前もって決まった項目がスタックされていますので、プログラム計算のように実行されますので簡単です。

二項演算とスタック

二項演算キー(【+】、【-】、【✖】、【÷】など)はXとYレジスタ内の両方の数値を使います。

四則演算は、まず筆算のときのように、ふたつの数をXとYレジスタに入れます。筆算で上に書く数はYレジスタに、下に書く数はXレジスタに入れます。その計算結果がXレジスタに入るので、Xレジスタの数値はLastXレジスタにコピーされ、スタックドロップが発生します。スタックドロップでは、Zレジスタの数値がYレジスタにコピーされ、Tレジスタの数値がZレジスタにコピーされますが、Tレジスタの数値は変化しません。

HP12cPlatinum 金融電卓 日本語ユーザーズガイドより引用

金利計算とcash flow diagram

どんな金利計算でも基本的事項をキャッシュフロー図(cash flow diagram)に描くことで把握するようにします。こうすると、時間の経過と現金の流れを図示することによってHP12cのキーとを対応させることが可能になります。

キャッシュフロー図は、まず横線(時間線:time lineと呼びます)を書きます。これは金融計算の全期間を表現するもので、複利の計算期間ごとに区切ります。たとえば6ヶ月間の月複利の場合は次の図のように描きます。

Ι———Ι———Ι———Ι————Ι————Ι————Ι

1            2            3             4              5                6

入出金は縦の矢印で表します。入金ならその時点で時間線から上向きに矢印(↑)を、逆に出金ならその時点で時間線から下向きに矢印(↓)を付けます。

キャッシュフロー図の中には、少なくともひとつの両方向の矢印があるはずです。キャッシュフロー図には受取利息は記入しませんので注意してください。

キャッシュフロー図に記入した数値は、電卓の上列の左端にある5個のキーに対応します。

以上はHP12cのユーザーガイドを参照

 

金融レジスタ

「前回に説明した「記憶レジスタ」以外に、金利計算用の数値を記憶させておくためのレジスタが5個用意されています。【n】、【i】、【PV】、【PMT】、【FV】と名付けてあります。

「金融レジスタ」は最上段の左側5個のキーを使って操作します。

このキーで、表示中の数値をそれぞれのレジスタにストアしたり、別の金融レジスタの数値を使って計算してからストアしたり、そのレジスタの数値を表示させる、あるいはその変数を求めるために使います。」

以上の文章はHP12cユーザーガイド参照。

皆さん、どうですか?たった5個のキー操作を覚えるだけで難しいと敬遠していた金融計算がいとも簡単にできることを実感して頂きたいと思います!

なぜ、こういう金融電卓が我が国日本では普及できなかったのでしょうか?不思議に思われないでしょうか?この答えを知りたいと考えたことが私のFPとしての原点だと思っています。

このいきさつを調べたい方がいらっしゃったら、2冊の書籍をご紹介したいと思います。1つ目が森平爽一郎先生の『物語で読み解くファイナンス入門』。もう1つが『HP12cによるときめきひらめき金融数学』です。これは法学博士の木村弘之亮先生のものです。

記憶レジスタを使う

当座預金勘定の計算をやってみましょう。

はじめに残高をレジスタにストアしておき、小切手を切ったとき、そのたびにレジスタとの直接四則演算をすればよいわけです。こうすれば操作が非常に簡単です。

キー操作       ディスプレイ

58.33【STO】0    58.33   はじめの残高をレジスタR0にストア。

22.95【STO】【ー】0    22.95  1枚目の小切手の金額をR0から引く。

この計算をしても表示している数値は

変わらないが、新しい答えがR0にストアされ

ている。

13.7【STO】【ー】0     13.70       2枚目の小切手の金額を引く。

10.14【STO】【ー】0  10.14           3枚目の小切手の金額を引く。

1053【STO】【+】0   1053.00  入金額を足す。

【RCL 】0                         1064.54       預金残高を見るためにR0の数値をリコール。

※【 】はキー表示です

※HP12C金融電卓 ユーザーズガイド参照

 

ここでのポイントは【STO】と【RCL 】というキーを使って計算を簡単にすることです。一般の電卓にはない『記憶レジスタ』を活用することによって定数計算ができます。

 

 

ブロックチェーンが通貨と金融を変革する!

この言葉は野口悠紀雄先生の「インターネット時代に現金が必要」という実体験談の中で述べられている。書籍名は『ブロックチェーン革命』である。「「インターネットで情報は送れるが、経済価値は送れない」ということを嫌というほど悟らされた。ウェブでの支払いがクレジットカードで簡単にできてしまうことから、われわれはインターネットで簡単に送金できるという錯覚に陥っている。しかし、それはコストがかかることなのだ。もちろん、銀行にも情報革命の影響は及んでいる。しかし、その中心に鎮座しているのは、1970年代のメインフレーム・コンピューターだ。銀行業界は強い参入規制によって守られてきたので、効率化をするインセンティブがなかったのだ。この状態を根本から覆す技術革新が、いま始まろうとしているのである。それがブロックチェーン革命にほかならない。」と記されている。

わたしたちはこの金融革命の時代に身を置いていることの正しい認識を持とう!

「ビットコイン」は非常識ではなく、常識なのである。

現代経済システムを支配する重要な技術

「銀行業というシステムの真髄はバランスシート全体で資金の支払いと受け取りを一致させることにある。」

「銀行は長期の資産と短期の負債の資金ギャップを解消する。このように流動性リスクが管理されているから、銀行の債務はマネーになる。これはいまも銀行だけに許された領域だと考えられていた。何と言っても、主権者から特許状を与えられているのは銀行だけだし、信用をマネーに変えることができるのは主権者だけだ。そうだろう?」

以上の文章は『21世紀の貨幣論』に書かれている内容だ。

また、経済学とファイナンス理論の発展の歴史や「マネー」、「銀行業」、「金融」という社会的技術の捉え方が正統派と異端の系譜の本質的な違いを余すところなく伝えている。この変遷が「リーマンショック」の世界的金融危機に繋がり、何の対処策ももたらさなかったことが明確に理解できる。

さて、私たち日本の金融環境は正統派、異端の系譜どちらなのでしょうか?

私のアングルからいいますと「常識、非常識」どちらなのでしょうか?