それは、財務省というお金の権益を牛耳る存在が勘違いした考えを変えようとしないからだと思います。消費税減税をよしとしない発言は、岸田首相の考えではなく、財務省の言いなりになったがための発言だとも言われています。
財務省とは、なんぞやと問えば、東大法学部出身の官僚の組織の中では超エリート集団と言われる反面、お金の仕組みを知らない、または知ろうとしない人たちではないかと私は思っています。そういう人たちと肌が合わなかったから、高橋先生は「財務省さらば」をしたのでしょう。
私は、お金の本質は数学にあるのではないかと思っています。数学者とも思われる高橋洋一先生はこの本質を理解してもらうように努力したと思いますが、未だに財務省の心を動かすことにはなっていないのが、現状だと思います。
しかし、こんな状況が長く続くことはないと考えます。それは、「ビットコイン」という暗号通貨が誕生したことによって、金融機関に変化をもたらし、日本銀行の存在すらをも脅かすものになると考えられるからです。国(日本銀行)が持つ「シニョリッジ」が、自由で開かれたものの中で、通貨を創造する(価値を生み出す)「ビットコイン」にとって変わる日が、まもなく、訪れると思われるからです。
以前に読んだ本『暗号が通貨になる「ビットコイン)」のからくり』という著者吉本佳生さんと西田宗千佳さんの共著です。この中に、以下の文があります。
金融工学のための数学・計算・プログラムは、ポーカーや将棋に勝つための数学・計算・プログラムと同様に、金融市場で他の参加者に勝つために使われます。全体での価値を増やすわけではなく、誰かから価値を奪うことが本質です。これは、金融市場での投機や裁定がこの本質を持つからです。しかし、通貨は、ビジネス上の取引コストを節約します。これによって、通貨そのものが価値をもたらす働きをします。そして、暗号通貨のための数学・計算・プログラムは、通貨の機能を維持するために使われます。本当の意味で、数学や計算が新しい価値を生み出すのです。
価値を奪うための数学と、価値を生み出すための数学。これが金融に使われる数学と、暗号通貨に使われる数学の決定的な相違点です。
『暗号が通貨になる「ビットコイン」のからくり』(吉本佳生・西田宗千佳著)
皆さん、どうでしょう。日本銀行にお金の供給を任せるより、自由に開かれたシステムの「ビットコイン」という暗号通貨で価値を生み出したほうがより賢明ではないでしょうかと?
歴史が語るように国に通貨を任せてしまうと、必ずや、他国との戦争につながる状況があるのがよくわかります。国にお金の供給を任せているが故に、戦争が行われているような歴史の現実があります。このことを踏まえてみても、「数学」という力を借りて、新しい経済の仕組みを世界に発展させていくことが今、まさに必要ではないかと思われます。