名目金利に対してインフレ率を考慮した実質金利RIR(real interest rate)を【TVM】メニューで算出してみよう。
たとえば、名目金利が0.09(9%)であるとき、インフレ率が2%である場合の実質金利は
1. 1.02【ENTER】1.09【Δ%】キーを押すだけで6.86275という数値が表示される。これが、答えになる。
このRIRを使って実質将来価値FVを求める。毎年のインフレ率が2%とし、10年後の実質将来価値は
2. 【i】キーを押して、上の値をストアする。
3. 【n】に10を、【PV】に1【CHS】をストアする。
4. 【FV】キーを押すと、1.94206が表示され、これが答えとなる。
また、RIRから実質の現在価値PVやアニュイティ・年金PMTを出すには、上を参考にすれば簡単に算出される。小林先生のご本では数式を懇切丁寧に導出されているので、それを分かることが非常に大事ではあろうが、【TVM】メニューの操作だけ理解できれば基本的に問題はないと思う。私自身も操作することによって、小林先生のご本がどういうことを言っているか理解できるようになったのです。
連続複利による実効金利EFFと実質金利
年利率rの連続複利による実効金利は eのr乗-1であった。わたしたちは違った操作をして算出する。
1【ENTER】rの小数値【Δ%】で求める。
たとえば、名目金利が9%で、インフレ率が2%であったとしたら、
1. 0.02【g】【1/x】0.09【g】【1/x】【Δ%】で7.25082という数値が算出され、これが連続複利による実効金利であるので、
2. 1.0725082【g】【%T】を押すと0.07という数値が算出される。
ということで、連続複利の場合は
実質金利=名目金利-インフレ率
という簡単な関係式が成り立つ。
以上は、『ファイナンス数学の基礎』(小林道正著)を参照させて頂いております。