- 期間数と利率の決定法
利率は一般に、1年間の利率つまり年利%で表します。しかし、複利計算の場合は、単位計算期間つまり1年・1月・1日の利率に計算し直して【i】にストアする必要があります。
年数と1年間の計算回数を掛けて、全計算回数を求めたら【n】を押してnレジスタにストアします。iについても同様です。
単位利率が月利の場合、つぎにようなショートカットでnとiをストアする。
nを計算してストアするには年数を入力して【g】【12×】を押す。
iを計算してストアするには、年利%を入力して【g】【12÷】を押す。
このキーの操作方法は、表示している数値を12倍したり12で割るだけでなく、その結果をそれぞれのレジスタにストアする働きがありますので、その次に【n】・【i】を押す必要はありません。
HP12cPlatinum 金融電卓 日本語ユーザーズガイドより引用
- 支払回数や複利期間数の計算(nの求め方)
1.【f】【FIN】を押して金融レジスタをクリアする。
2.単位利率を【i】または【g】【12÷】を使ってストアする。
3.次のうち少なくとも二つを入力する。(注意:負号変換に気を付ける。)
【PV】を使って現在価値(元金など)をストア。
【PMT】を使って毎回の支払額をストア。
【FV】を使って将来価値(最終月残高など)をストア。
4.【PMT】を押したら【g】【BEG】あるいは【g】【END】を押して支払時期設定
5.【n】を押して支払回数や複利計算回数を呼び出す。
キー操作 ディスプレイ
10.5【g】【12÷】 0.88 iを計算してストア
35000【PV】 35,000.00 PVをストア
325【CHS】【PMT】 -325.00 PMTをストア(現金支出はマイナス)
【g】【END】 -325.00 期末払いモードに指定
【n】 328.00 必要な支払回数(月数)
12【÷】 27.33 27年と4ヶ月。
HP12cPlatinum金融電卓 日本語ユーザーズガイドより引用
- 複利計算の期間利率と年利の計算(最後に【i】を押して求める。)
- 現在価値(当初の価値)の計算(最後に【PV】を押す。)
- 支払額の計算(最後に【PMT】を押す。)
- 将来価値の計算(最後に【FV】を押す。)
複雑な数式を意識することなく、「貨幣の時間価値」という概念(「時は金なり」とも言う)を複利計算の法則に則って理解できるようになります。まさに、この概念こそ「お金を生む」のですから私たちは大事にしなければなりません。しかし、私たち日本人の「お金」の常識の中にはこの考え方は根付いていないように思われます。さあ、金融電卓を手に取って(12P- Proは一般の電卓と同じく、安い料金で購入可能)、PV、PMT、FVの価値を計算してみましょう。そこに「マネー」とは何かという答えがあるのではと私は思っています。