今、話題の言葉に「オルタナティブ・ファクト」(もう一つの事実)というものが、トランプ大統領就任の折、注目されています。彼の言動があまりに奇怪に思われるので「嘘」だというイメージが先行しているきらいがあるようです。私はここでそのことの善し悪しを議論するつもりはありません。世の中には「もう一つの事実」は存在することは確かなことだと思うのです。以前、『ゼロ・トウ・ワン』の著者ピーター・ティールが述べている「隠れた真実」や『帳簿の世界史』のジェイコブ・ソールが語った「隠れた真実」としての帳簿の力(会計力)を発見することは大変、困難なことです。しかし、人類は科学の発達、「隠れた真実」の発見によって生活を豊かにしてきました。その歴史を学ぶことは物事の本質はどこにあるのかを知ることにつながるのです。
私たちは「金融工学」とか「デリバティブ商品」など、意味を理解できないものに対しては非常に敬遠する傾向があって、「隠れた真実」を探す努力をしようとしないのではないでしょうか? 「隠れた真実」、本質を理解することは意外に難しいことではないと直感的方法を説いておられる長沼伸一郎氏は述べられています。いわんや、今こそ、日本人にとっては教養としての経済数学が欠かせない時代になったことを強調されています。さあ、みなさん!「常識」に安住しないで「非常識」の世界に一歩、踏み込んでみましょう!「デリバティブ」は意外に馴染みやすい概念だと気付かれると思います。高校数学を再度、学び直しましょう!