人の一生は時間の使い方で決まる!

この言葉は『経営トップが綴る毎日の言葉』の中の9月28日分として掲載されているものです。サンゲツの元社長日比賢昭氏の書かれた文章です。是非、お読みください。
「時は人間の消費しうるもののなかで、もっとも貴重なものです。時間ほど万人に平等なものはなく、能力のあるなしも、貧富の差も関係なく、一日は二十四時間という時間は等しく与えられます。そして、時間は蓄えることができず、過ぎ去った時間はお金で買うことも再び手に入れることもできません。

このような貴重な時間を形がなく目に見えないためか、無神経に無関心に過ごしている人が多いのに驚きます。時間を半分にしか使えない人もあれば、時間を二倍・三倍も有効に使っている人もあります。

また、時間を有効に使う人はお金の使い方も上手です。「お金はコツコツ貯めて大きく使え」といわれるように時間も全く同じです。そして価値ある仕事は充実した長い時間をかけなければ手にすることができません。

「ゆっくり歩けば遠くへ行ける」、この言葉は急がず、たゆまず高い目標を持って毎日を積み重ねていくことが最も大切であることを教えております。」」

私はこの言葉に会えて幸せな気持ちになりました。この時を大切にしたいと思いました。作者はもうお亡くなりになっておられました。

投資についての『TVM』

わたしたちが『TVM』のコンセプトと計算法を学ぶのはなぜでしょうか? それは、現在の投資と将来の利益を評価するからです。そのため、異なる時点間における価値を比較しなければなりません。金融の世界における取引の多くは、『TVM』に基礎をおいています。このコンセプトを理解することが『金融リテラシー』のセミナーでの中心課題であるべきだと私は考えます。

この概念は奥が深いです。私自身も長年にわたり勉強してきたのですが、新たな発見があり驚いています。だからこそ、HP12cが手放せません。使っているうちに理解が深化していくからだと思います。

私は金融電卓を使わず数式だけで、または6つの係数表で理解させるテキストを勉強させられたのですが、頭が悪いせいかどうしても腑に落ちませんでした。そうこうしているうちにCFP認定者になるためにはここの理解力よりはもっと多くの事柄を知らなければ合格はおぼつきません。

そういう時、2つのご本に私はめぐり逢いました。そのときの感動は今でも残っています。『物語で読み解くファイナンス入門』(森平爽一郎著)、『HP12cによるときめきひらめき金融数学』(木村弘之亮著)です。なかでも、木村先生にはメールで感想を述べたところ返事をいただき恐縮した記憶があります。前著は森平先生のアメリカでの大学時代に金融電卓が普通に使われていたことや帰国されて同じ電卓を探したが見つからなかったということ、後著では電卓開発者に問い合わせし、金融数学に電卓をどういう風に使いこなすのかをご紹介いただいています。

まさに、『TVM』の理解力こそがCFP認定者たるゆえんであるという信念は年を追うごとに強くなっていきました。

どうか、みなさんも諦めないで『TVM』の考え方を日本では理解できない土壌なのだという認識に立ち、金融電卓を手元に置いてチャレンジしてください。

最後に、後著の推薦のしおりに米田隆氏が書かれている言葉を紹介しよう。「新しい時代を生きるために必要となる知恵の礎の一つとなるのが『金融リテラシー』だ。」この言葉は2008年に書かれていますからだいぶ昔になりましたが、未だに金融環境は変わっていないことを危惧しているのは私一人だけでしょうか?