【n】キーにストアする『複利期間』

(複利期間の細分化)

(1) 年利率と月利率

年利率12%で1000000円を借入れたとき、3年後に返済する金額を計算。

1.  【PV】キーに1000000【CHS】、【i】キーに12、【n】キーに3をストアする。

2. 【FV】キーを押すと、答えが1404928と算出される。

これを毎月の複利計算という場合は、

3. 【g】【i】キーに12、【g】【n】キーに3をストアする。

4. 【FV】キーを押すと、答えが1430769と算出される。

毎月の複利にしたための増加額は、25841円となる。

(2) 実効年利率EFF(effective annual rate)

上記の1430769円の元利合計を年に1回の複利で借りたとした場合の、実質的な年利率を求めてみる。

5. 【n】キーに3をストアする。

6. 【i】キーを押すと、12.6825が算出され、これがEFFである。

もともとの年利率は12%であったが、毎月の複利計算をするために、実質的には12.68%の複利になっていることがわかる。

(連続複利と指数関数)

(1) 連続複利と自然対数の底 e

1万円を年利率1すなわち100%で運用する場合、半年ごとの複利計算では1年後の元利合計は

1. 【PV】キーに1【CHS】を、【n】キーに2を、【i】キーに50をストアする。

2. 【FV】キーを押すと、2.25

今度は毎月ごとの複利計算

3. 【g】【n】キーに1を、【g】【i】キーに100をストアする。

4. 【FV】キーを押すと、2.61304

今度は毎週ごとの複利計算

5. 【n】に52を、【i】に100【ENTER】52【÷】をストアする。

6. 【FV】キーを押すと、2.6926

今度は毎日ごとの複利計算

7. 【n】に365を、【i】に100【ENTER】365【÷】をストアする。

8. 【FV】キーを押すと、2.71457

次第に元利合計は増えてくるが、いくらでも大きくなるわけではない。

このように、回数を増やしていったとき近づいていく極限の値があり、それを自然対数の底あるいはネピアの数といっている。この eは金融電卓では、

1【g】【1/x】を押すと、2.7182818・・・と表示される。

(2)連続複利

一般に、元本Aを年利率rで連続複利計算をした場合、1年後の元利合計は

A×eのr乗で表される。

連続複利の場合の実効年利率EFFは、年利率0.08(8%)の場合は

1. 1【ENTER】、0.08【g】【1/x】を押してストアする。

2. 【Δ%】キーを押すと、8.32871が算出されて、これがEFFである。

また、元金Aを年利率rで連続複利計算をした場合、n年後の元利合計は

A×eのr×n乗で表される。

上記の5年後の元利合計は

3. 【i】キーを押すと、8.32871がストアされる。

4. 【n】キーに5を、1【CHS】【PV】を押してストアする。

5. 【FV】キーを押すと、1.49182が算出されて元本が1.49182倍になることがわかる。

(3)指数関数 eのrx乗

年利率rの連続複利計算をする場合、x年後の元利合計は元本の eのrx乗倍になることがわかった。

xが定まれば元利合計 eのrx乗が定まるこのような関数を指数関数という。

以上は『ファイナンス数学の基礎』(小林道正著)を参照しております。