無限等比級数と現在価値の関係

例えば、毎年一定の金額(C)が永遠に支払われるとします。割引率(期待収益率)をrとすると、それぞれのキャッシュフローの現在価値は以下のようになります。

・1年目: \(\frac{C}{(1+r)}\)

・2年目: \(\frac{C}{(1+r)^2}\)

・3年目: \(\frac{C}{(1+r)^3}\)

・・・・n年目: \(\frac{C}{(1+r)^n}\)

これらすべてを足し合わせた合計(PV)は、数学的には初項 \(a=\frac{C}{(1+r)}\) 、 公比 \(X=\frac{1}{(1+r)}\)の等比数列の和となります。

公式の誕生(なぜ「収束」するのか?)

無限に足し続けるのに、なぜ合計が出るのか。それは公比 \(X=\frac{1}{(1+r)}\)が1より小さいため、遠い未来の価値はゼロに限りなく近づく(収束する)からです。

無限等比級数の和の公式 \(S=\frac{a}{1-X}\)に当てはめると、驚くほどシンプルな式が導き出されます。

             \(PV=\frac{C}{r}\)

「無限に続く未来を、たった一回の割り算で『今』に閉じ込めることができる。これが無限等比級数の魔法であり、金融の知恵です」

無限等比級数を使って「無限の未来」を「現在の価値」にギュッと凝縮するプロセスは、数学的にも金融理論的にも最も美しい部分の一つです。