世の中は計算できるⅢ

数を使った計算は人間の営みです。数を使った計算とは何か。数という概念がなぜ必要になったのでしょうか? 一つには比較をする必要が考えられます。

また、人間は数をまとめて扱うことで、数え方の効率を上げました。0の概念を使う表記法「位取り記数法」を編み出しました。コンピュータが扱う数は0と1の2進法なのですが、数としてというよりは記号として扱っています。

四則演算やおつりの計算では行う手順があるということを考えてみる必要があります。人間が何かの条件で判断をするときには、「繰り返し」、「順番」、「ならば」という手順の基本的な構造を使うことによって行うことができるのです。

人間のあらゆる作業を「計算」として定義することができたのはこのことによってです。あらゆる作業とは、四則演算だけではなく、掃除や料理、通勤や通学といった日常の作業全てです。

このような作業を人間は毎日行っていますが、これを抽象的に表現してみますと、「ある状態のとき、外からの刺激によって判断を行い、次の状態へ移る」ということです。おつりの計算の構造と同じです。つまり、これも「計算」なのです。

「計算する」を英語に翻訳すると「calculate」という言葉になりますが、「判断する、予測する」という意味もあるのです。

「計算高い人」などの悪口は、人間が行う四則演算の計算高いで、何もそれだけではないのです。何か問題を解決するときにいろいろなことを考えて、手順通りに実行できる人という尊敬に値する場合もあるわけです。

以上は、前回に引き続き、『チューリングの計算理論入門』(高岡詠子著)を参照しております。

わたしの事務所の看板の「世の中は計算できる」とは、そういう意味で書かせていただいています。「calculate」できる人になるという目標を表明しています。

eic1954

投稿者: eic1954

岩永FP事務所代表 一級ファイナンシャルプランニング技能士、 日本FP協会CFP認定者

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