私たちにとって最も大事な『ファクト』

今私が読んでいる本の一節を紹介します。

「海を渡れば、こんな言葉もある。 〝An investment in knowledge pays the best interest.(知識に投資することは常に最大の利益をもたらす)〟  ベンジャミン・フランクリンの言葉である。この感覚は、自然科学を勉強・研究した人なら共感できるだろう。だが、多くの文系官僚の頭には理解できないようだ。  基礎研究の「選択と集中」が言われるようになった理由は、研究資金が足りないことに尽きる。これまで筆者はたびたび指摘してきたが、基礎研究は将来への投資であるから、財源としては税金だけではなく、国債発行を考えるべきだ。  基礎研究は「懐妊期間(成果が出るまでの期間)」が長く、なおかつ大規模で広範囲に行う必要がある。こういう投資は、ビジネスの成果を前提とする民間企業には向かず、本来的に公的部門が主導するのが望ましい。また、投資資金の財源は将来的なリターンを期待するという意味で、税金よりも国債が適切なのである。」

(『ファクトに基づき、普遍を見出す 世界の正しい捉え方』(高橋 洋一 著)より)