プログラムの作成
これはHP12cの大きな特徴で、あることを計算したいときに計算手順を自分で考えて操作順番を書く。それを電卓に記憶させることによって、1つのキーを押してプログラムをスタートさせれば自動的に答えを計算してくれるという機能です。この機能は応用範囲を広げるし、計算の自動化のメリットというだけではなく、考える力を養う上でも大事なことだと思います。
1. 計算したときのキー操作順序を紙に書いてまとめます。
2. 使用したいモードを選びます(【f】【RPN】か【f】【ALG】を押して)。
3. 【f】【P/R】を押して電卓をPRGMモードに設定します。
4. ステップ1で書き込んだキー操作の順序通りにキーを押します。ただし、プログラムを使うときに異なる数値を入力する部分だけは飛ばします。
プログラムの実行
1. 【f】【P/R】
2. プログラムの作成ステップ4で説明した飛ばした部分に必要な数値を入力します。
3. 【R/S】を押してプログラムをスタートさせます。
このプログラム作成によって複雑な各種の金利計算が可能になります。たとえば、家を買うか借家にするかの決定は難しい問題です。短期間の保有と借家との比較はとりわけ難問ですが、このプログラム化は大変わたしたちの決断に役に立つと思われます。
専門的な使い方として、ユーザーズガイドには「ヨーロピアンオプションにおけるブラック・ショールズ式」などを紹介しています。Black-Sholes fomulaは1970年代初頭に発表されて以来、世界中のオプションマーケットで広く利用されているそうです。
最後に、
名目金利(Nominal Interest)から実質金利(Effective Interest)への換算
1. 【g】【END】と【f】CLEAR【FIN】を押す。
2. 名目金利(%)を入力して【ENTER】を押す。
3. 年間の複利計算回数を入力してから【n】【÷】【i】を押す。
4. 【CHS】【PMT】【FV】を押すとそれが実質金利。
実質金利から名目金利への換算
1. 年間複利回数を入力して【n】を押す。
2. 100を入力して【PV】を押す。
3. 実質金利(%)を入力して【+】【CHS】【FV】【i】の順に押す。
4. 【RCL】【n】【✖】を押すと名目金利が求められます。
名目金利から連続実質金利への換算
これは名目金利から連続実質金利(複利の計算期間を極限まで短くしたときの実質金利)
1. 1【ENTER】を押す。
2. 年間名目金利(%)を入力して【%】を押す。
3. 【g】【e×】【Δ%】の順に押す。
ここでの指数関数の底eとはどのような数値なのかを発見するのも金融電卓ならではの自在性をフルに活用して、自分で試されることをお勧めしたい!
以上、HP12cPlatinum金融電卓 ユーザーズガイドより引用