金融電卓4

統計データの集計

1変数(たとえばxだけのデータ)または2変数(たとえばxとyでセットになっているデータ)の統計計算ができます。

1. y-値を入力する。

2. 【ENTER】キーを押す。

3. x-値を入力する。

4. 【Σ+】を押す。

平均

【g】【¯x】キーを押すと、集計したx-値とy-値のそれぞれの平均(算術平均)、つまり¯xを¯yを計算します。

標準偏差

【g】【s】を押すと、標本(サンプル)のxとyの標準偏差が計算できます。

また、母集団の標準偏差(σ)も計算できます。

共分散

1. 【g】【s】【✖】【ENTER】キーを押す。

2. 【g】【ˆy,r】

3. 【R↓】【✖】キーを押す。

線形回帰

xとyのデータ(複数)を統計レジスタに集計してあれば、そのデータが線形に推移すると仮定して、あるxのときのyの推定値(ˆy)や、あるyのときのxの推定値(ˆx)を求めることができる。

この推定の信頼性は、入力したデータをグラフにプロット(散布図)したとき、ある直線を引いてプロット位置がその直線にどの程度接近していたかによって変わります。信頼性を計るために相関係数(r)を使います。相関係数はˆyやˆxを計算したときに同時に計算され、【x›‹y】を押すと表示します。1か-1に近いほど推定値はその直線に近いと言えます。逆にゼロに近ければ、データはその直線とかけ離れていて、ˆyやˆxは信頼できないことになります。

回帰直線を作図するためには、下記の線形方程式の係数を計算します。

y=A+Bx

1. 切片Aを計算するために0【g】【ˆy,r】を押す。

2. 傾きBを計算するには1【g】【ˆy,r】【x›‹y】【R↓】【x›‹y】【-】と操作

加重平均

同じ品物で仕入れ単価の違うものがいくつかあるときの平均単価は、加重平均(Weighted Mean)で求めます。

1. 単価を入力して【ENTER】キーを押す。その数量を入力して【Σ+】を押す。2番目の単価を入力して【ENTER】キーを押し、その数量を入力して【Σ+】を押す。このように“単価【ENTER】キー、数量【Σ+】”の順で全てのデータを入力する。

2. 【g】【¯xw】を押すと平均単価を表示する。

以上、HP12cPlatinum金融電卓 ユーザーズガイドより引用

 

金融電卓3

数学関数と、数値変更用機能のキーがあります。これは金融計算のときだけではなく、一般的な計算にも便利な機能です。

(単項演算子)

逆数 【1/x】キー

2乗 【g】【x²】を押します。

平方根 【g】【√x】を押します。

自然対数 【g】【LN】を押すとディスプレイ上の数値の自然対数を計算しま す。ディスプレイ上の数値の常用対数をもとめるには、まず自然対数を計算してから10【g】【LN】【÷】を押す。なぜ、こういう操作で変換が可能かがわかれば対数計算が理解できる!

指数 【g】【ex】を押すと、ディスプレイ上の数値を指数、eを底とする指数関数を計算します。

階乗 【g】【n!】

四捨五入(丸め) 【f】【RND】

整数(integer)   【g】【INTG】

少数(fraction) 【g】【FRAC】

前に表示していた数値をリコールします。【g】【LSTx】

(累乗機能)

【yx】を押すとyのx乗を計算します。

1. 基数(yの値)を入力する。

2. 【ENTER】キーを押して2番目の数値(指数)と区切る。

3. 指数(xの値)を入力する。

4. 【yx】を押して累乗を計算します。

以上、HP12cPlatinum金融電卓 ユーザーズガイドより引用

 

 

金融電卓2

日数計算

西暦1582年10月15日(グレゴリオ暦の初日)から4046年11月25日の間で、日付の計算(【g】【DATE】)と日数計算(【g】【ΔDYS】)の両方ができます。

日付の形式が2種類あって

(月・日・年)【g】【M.DY】キーを押します。

1. 月名の数をそのまま入力する。

2. 小数点キー【・】を押す。

3. 日は2桁の数にして入力する。

4. 年は西暦(4桁の数)で入力する。

(日・月・年)【g】【D.MY】キーを押します。

1. 日を入力する。

2. 小数点キー【・】を押す。

3. 月を(必ず2桁の数で)入力する。

4. 年は西暦(4桁の数)で入力する。

将来や過去の日付を求めよう|

1. わかっている(あるいは基準の)日付を入力して【ENTER】キーを押す。

2. 日数を入力する。

3. 求める日付が始めの日付よりも前の日だったら【CHS】キーを押す。

4. 【g】【DATE】キーを押す。

「表示のいちばん右の1桁の数字はその日の曜日で、1は月曜、2は火曜、・・・7は日曜です。」

日数計算をしよう!

1. 開始日の日付を入力して【ENTER】キーを押す。

2. 終了日の日付を入力して【g】【ΔDYS】キーを押す。

「計算結果はふたつの日付間の実日数で、うるう年の2月29日が入るときにはそれも考慮されます。これとは別に1月を30日、1年を360日とする30/360日建の日数を同時に計算しています。それを確認するには【x><y】を押します。」

単利計算では日数計算が必須なので計算できるように!

以上、HP12cPlatinum金融電卓 ユーザーズガイドより引用

金融電卓

百分率計算

(百分率)

1. 基準の数を入力

2. 【ENTER】キーを押す

3. パーセントの数を入力

4. 【%】キーを押す

(割増・割引)

割増・割引も簡単に計算できます。それは百分率の計算をしたとき基準の数をそのまま記憶しているからで、百分率の計算をした後で【+】キーか【-】キーを押すだけ

(増減率)

これは『変化率』のことで、金融計算では必須項目。是非、覚えておこう!

1. 基準の数を入力

2. 【ENTER】キーを押して基準の数と後の数とを区切る

3. 後の数を入力する

4. 【Δ%】キーを押す

(構成率)

ある数が全体の何%になるかを計算するには【%T】(% of Total)キーを使う。

以上、HP12cPlatinum金融電卓 ユーザーズガイドより引用

関数電卓2

関数電卓の最大の特徴は何と言っても数学史上最大の発見とも言える「オイラーの公式」(複素数の指数と三角関数を結ぶ式)を理解させるところだろう。二次元デカルト座標で表される複素数を指数関数で表現する極座標に変換できる機能が備わっていることでそのことがわかる。「直行形式」と「極形式」の複素数モードでは「極形式」の複素数入力を自動的に「直行形式」に変換する。

この極形式で表現された複素数は物理学や工学の解析方法に革命を起こしました。と「土地家屋調査士試験のための関数電卓(パーフェクトガイド)」遠藤雅守著の本に記載されています。

唐突にも、なぜ、土地家屋調査士試験の本を紹介するかといいますと、複素数で測量計算ができる仕組みの解説を平易に述べているからです。測量計算に複素数を使う基本的思想は「座標点を複素数で表し、これを位置ベクトルと考える」ということなのです。

「虚数単位iと複素数の定義」「オイラーの公式と極形式」「複素数の四則計算」「二次元平面のベクトル」などの基本的な概念を私たち文系人にも分かり易く解説してくれていて、是非、お読みになって関数電卓を使ってみましょう! ちょっと、まだ手に負えないようでしたら、まずは金融電卓で予備知識を得てから取り組まれてはいかがでしょうか? 金融電卓には関数電卓の予備的操作が、より簡単にわかるので最初に手慣らしができると思います。

高額療養費の計算

70歳以上の自己負担限度額について、この8月からと翌年8月の2段階で引き上げが行われることになりました。公的医療保険の持続可能性を高め、世代間の負担の公平化を図るために行われるものです。

今回の話題は私の母が入院手術で費用が嵩んだため、高額療養費制度を使って出費を抑えたいということなのですが、驚いたことに今月から制度に見直しが行われていたのです。私の母は後期高齢者の高額療養費の計算なので、70歳以上の自己負担限度額の変更の対象に入っていました。また、計算に当たっては、計算の手順や自己負担額の合算など注意する点があるので、大まかなことが分かったら、お住いの市区町村の保険の窓口に出向いて申請手続きをしましょう!

とここまでは良いのですが、話はこれでは終わらない。私は申請をしようと電話で窓口に問い合わせたところ、なんと、申請に出向かなくてもいいとのことなのです。何故か、私たちは保険者なので、システム上患者の医療費は把握しているので、高額療養費を請求できる人には数か月後に郵送で申請書をお送りいたしています、とのこと。

この話、あなたはどう思う? 市区町村が住民の医療費を全て管理することが可能だろうか?

これって、自動車保険の損害額算定を修理工場と保険会社が決定する方法によく似ているような気がする。患者と自動車の所有者、病院と修理工場、広域連合と保険会社。このトライアングルは個々に独立でなければ保険制度は機能しない。むしろ弊害を生む温床にもなるのではないか?

年金制度とともに社会保険制度の疑わしい一面を垣間見た思いがした。今後、社会保障制度がどういう変遷を遂げていくかを是非、追跡していきたいと思う。現在は常識か、非常識か。

関数電卓

金融電卓は指数関数や対数関数には対応しているが、数学を学ぶには物足らないのも事実である。そこで、関数電卓も揃えていると便利だと私は気づかされた。特に、三角関数や複素数との結びつきを理解すると一気に世界観が変わるので、そういう常識を大事にしたい。理系人だけに独占されるのは文系人として真に勿体無い話だ。高校数学程度までは理系・文系問わず理解したいものだ。私たちもその世界に飛び込めばいいのです。その水先案内として『理系人のための「関数電卓」(パーフェクトガイド)』遠藤雅守著のご本を紹介します。三角関数の応用として「ベクトル」「測量」「フーリエ級数」などの具体例を関数電卓で計算するという紹介事例は非常に理解が深まって良かったです。

皆さんも「関数電卓」に興味があり、使ってみようという方は機種選択の意味でも参考になりますので、お読みいただけたらと思う。

私がもう一つ興味を持った記事がColumnとして掲載されていたのでお話しすると世界初の関数電卓として「HP35」が紹介されていたことです。ヒューレット・パッカード社は関数電卓も世界初だったんだね! 1972年に卓上関数電卓として世に出た当時と、「金融工学」のスタート時点と符合していて面白い。

常用対数(log)と自然対数(LN)

私はHP12c金融電卓を使うことで対数計算を理解できるようになったと思う。何故か? その理由の話をしよう。

対数の底の違いによって常用対数(log)と自然対数(LN)になるのはご存知の通り、底が10とeの対数なのだが、両者は底の変換公式によって自由に変換が出来る。最初はHP12cにはLN計算しか表示がされていないので、不思議に思っていたのだが、logだろうが、2の底の対数だろうが、LNに変換が可能なので計算できるのです。

すなわち、その数値のlogを求めるには、まず、その数値のLNを計算し、10のLNで割ることで対応することができるということなのです。このことが分かりさえすれば、対数計算は簡単だ! 私に金融電卓の機能が底の変換公式の意味することを教えてくれたというわけなのです。

この説明で皆さんはお分かりだろうか? 一度、金融電卓を使ってみてはいかがでしょうか。

 

12歳の少年が書いた量子力学の教科書

彼が「量子力学を自分のものにしてやろう」と決意したのは9歳のときだが、この頃物理だけではなく様々な学問に興味があったので、本を大量に読み漁っていたそうです。加えて幼少時代から自分の得た知識を他人に教えるのが好きだった。こうした読書好きと説明好きが高じて、次第に自分の本を書いてみたくなったいう動機が述べられています。

また、裏表紙にはこういうコメントが載っている。「10歳の頃には物理学の他にも天文学、歴史、哲学、文学、医学、論理学、経済学、法学などあらゆる学問分野の本を読み漁り(最盛期には年間3000冊)、最終的に量子力学が自分の目指す専門分野であると考えるに至った著者がこの書籍を執筆したのは12歳の時でした。独学で、本だけを頼りに量子力学に挑戦する上で「入門書は易し過ぎ、専門書は難し過ぎ」ということを感じ、その間を埋める、入門書と専門書の架け橋になるような本があればいい・・・という想いを実現したのが本書です。数式を追いながら読めればよいのですが、入門者の方がそこを飛ばして読んだとしても、「量子力学」に一歩迫ることのできる一冊です。」

私は入門者なので、もちろん、数式飛ばしの読書法を試みるしかできなかったのだが、彼の物事を理解しようという激しい情熱がこの本を誕生させたものに間違いはない。高校時代の文系、理数系や私立系、国立系などにクラス編成された教育に対する不満を述べていた自分を恥ずかしく思う。教育とは受動的なものではなく、能動的なもので自分でつかみ取っていくものであることを痛感させられました。

とにかく、生まれて12年でそこまで到達できるものかと驚かされます。この夏、怪談もいいでしょうが、あなたもこの本を手にして冷や汗をかかれてはどうでしょうか?

微分方程式2

身の回りには、その変化についての観察しかできない現象がたくさんあります。私たちは、たった数十年しか生きられないし、それに、1つの現象の観察だけに一生を費やすわけにもいきません。したがって、短い時間内での観察結果から、将来どう推移するかを判断したり、過去がどうであったのかを推測したりする必要が生ずるでしょう。そういうときには、現在どう変化しているかを微分方程式に書き、それを積分して、その変化の結果、将来どう推移するかを計算しなければなりません。そういうわけですから、微分方程式は、物理学や化学の現象を解明するのに使われるばかりでなく、社会現象の解明などにも幅広い用途があるのだということをお話しして、微分方程式入門の結びとしましょう。

上記の文章は『微積分のはなし』(下)大村平著の引用文です。

もう1つの箇所を引用します。

このように複雑な、しかし、身の回りの現象としては、まことにありふれた現象を方程式に乗せて解明しようとすると、ほとんどが微分方程式になってしまいます。加減乗除の四則演算を中心とした代数方程式で表される現象は、私たちの目に触れ体に感ずるもののうち、ほんの限られた部分にすぎません。そういうわけですから、微分方程式は、私たちの実生活を解明するための数学の頂点である、といえるでしょう。微分方程式を使いこなすために微積分があると考えても、おかしくはないくらいです。

同じご本の引用文です。みなさんどう読まれましたか?

わたくしごとで恐縮ですが、「ヘウレーカ、ヘウレーカ!」の心境になった次第です。